サイクルは存在する。アメリカ経済もそろそろ後退か?

マーケット

 

ヘッジファンドの帝王と呼ばれる著名投資家、レイ・ダリオ氏は景気後退に大きく賭けているようです。

 

レイ・ダリオ氏が運営するブリッジウォーター・アソシエーツはユニリーバ、エアバス、アディダスなど大手欧州企業へのショートポジション(空売り)を積み上げていると言われています。「我々はサイクルの終盤の中にいる」と語り、今そのサイクルのどの位置にいるかはわからないとしながらも、2年以内の景気後退を予想しています。

 

自分が影響を受けた本の中に『投資で一番大切な20の教え』という本があります。

 

バフェットがこの本を絶賛して、自身が経営するバークシャー・ハサウェイの株主総会で株主に配ったそうです。この本の中では、信用サイクルについてかなりページを割いて説明しています。

 

時として、サイクルの上昇局面あるいは下降局面が長期化したり、極端に大きく進んだり(あるいはその両方が同時に起きたり)すると、人々は「今回は違う」と言いはじめる。(中略)つまるところ、空に届くまで伸びる気はなく、ゼロになって終わるものもほとんどない。むしろ結果的にみれば、ほとんどの現象はサイクルに従って起きているのだ。(『投資で一番大切な20の教え』130ページ)

 

歴史的に見れば、一定期間上昇相場が続けば、大きな調整がありましたし、下落局面が一定期間あれば、その後は大きく上昇してきました。

 

株式市場に関しては、上述のように、一定のサイクルを繰り返しながら上昇を続けてきました。リーマンショック後の上昇相場は10年になります。まだ「次の金融危機はいつだ?」と市場関係者が警戒しているようですが、『投資で一番大切な20の教え』が示すように、サイクルが確かに存在するなら、これから投資家の警戒感がなくなったときに次の危機が到来することは間違いないようです。

 

ただ残念ながら、歴史的に見て、暴落や上昇相場を当て続けた投資家はいません。

 

例えば、リーマンショックの時に一躍有名になったのはアイフォーン氏です。彼はサブプライムローンで大手金融機関が続々と損失を計上する中、リーマンブラザーズが同様の損失を計上していないことから、リーマンブラザーズの破綻を事前に見抜き、空売りを仕掛けて大きく成功しました。

 

しかし、近年の成績は振るわず、空売りを仕掛けていたアップル(AAPL)やアマゾン(AMZN)などは大きく株価を上げています。

 

投資の神様、ウォーレン・バフェットは相場を予想したりはしません。

 

バフェット氏はリーマンショックの真っ最中に『アメリカ企業を買え、自分は買い始めた(”Buy American, I am”)』というタイトルでニューヨークタイムズに寄稿し、実際に破綻の淵にまで追い込まれていたゴールドマンサックスやウェルズファーゴなどの金融銘柄を大量に取得しました。そのイメージから、一見すると暴落時に仕込む投資家と思いがちですが、強気相場の終盤と言われている現在でもアップル(AAPL)などを大量に買い付けるなど、基本的に相場を読むことはせず、自身の企業の分析に基づいて割安だと判断したら相場環境に関係なく買い向かいます。

 

マーケットのプロ中のプロでも相場を当て続けることはほとんど不可能なので、我々個人投資家がそういった分析をすることは不可能です。ただし、マーケットには信用サイクルがあることもよく言われていることです。前回の暴落から10年が経ちました。現在のアメリカ株式市場は予想PER18倍と、異常な割高感はありませんので、バブルの水準にあるわけではないものの、景気のサイクルは終盤にあると考えても差し支えないでしょう。

 

野球に例えるなら、8回の表くらいでしょうか?9回のウラという感じもしませんが、4回5回ではないことは間違いないでしょう。

 

こうした現状では、次の暴落に備えてポートフォリオの現金比率を一定以上に保つというのが賢い戦略かなと思います。プロのファンドマネージャー は運用するのがお仕事ですので、株や債券を買わずに現金ばかり持っていては怒られてしまいます。しかし、個人投資家はいくら現金を持っていても誰からも怒られることはありません。アマチュアの特権です。

 

「そろそろ景気後退が来る」というのは何年も前から言われていたことですが、ここ数年はトランプ相場もあって大幅に相場は上昇しました。景気後退のタイミングは読めないので、現在保有している資産は売らずにキープしながらも、暴落も想定していつでも買いに出動できる現金も持っておく、というのが現実的な作戦になると思います。フルインベストメントで100%株式を持っておくというのは、今は少し警戒したい局面だと思います。

 

原則その①…ほとんどの物事にはサイクルがあることがやがて判明する。

原則その②…利益や損失を生み出す大きな機会は、周りのものが原則その①を忘れた時に生じることがある。

(『投資で一番大切な20の教え』122ページ)

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