【FB】フェイスブックは収益性から考えれば予想PER20倍は割安だけど…

【銘柄分析】フェイスブック

 

投資見習い
フェイスブックの株が急落したみたい。買いのチャンスかな?

 

バフェット
喜んで10年間株を持ち続ける気持ちがないのなら、たった10分間でも株を持とうなどと考えるべきですらない。

 

現在のFacebookの株価は約167ドルです。予想PERは約20倍程度です。FANGの一角としてもてはやされ、アメリカの株価上昇を引っ張ってきた銘柄にしては割安な感じがしませんか?

 

Facebookがこれだけ市場を牽引してこれたのは圧倒的な利益成長です。

 

こちらはFecebookの過去5年間の株価チャートです。ものすごい右肩上がりです。この5年間は年率27%ペースで株価が上昇してきました。2012年の上場時に42ドルだった株価はたった6年で一時200ドルを超えました。1株利益も2011年の0.46ドルから今年の予想は7.21ドルと15倍です。

 

2011年から5年後には利益が15倍です。製造業ならこんな成長ありえないです。スマホの普及と同時に一気にアプリが普及したおかげですね。

 

ただし、今後の成長性もかなり高いです。

 

Facebookは広告でマネタイズしています。デジタル広告市場がFecebookの主戦場です。世界のデジタル広告費の成長率は、2018年に12.6%、2019年に11.3%と、二桁成長が見込まれます。これからもガンガン成長するのがデジタル広告市場です。超成長市場です。その市場のシェアがこちら。

 

 

 

GoogleとFacebookで合わせて6割近くを占めます。寡占状態とまで言わないですけど、圧倒的2強です。この分野にAmazonが入ってくると言われてますが、どこまでシェアを取れるかは未知数です。

 

SNS市場に限ればFacebookは今や敵なしです。Facebookの配下にはInstagramやWhatsAppなどが存在し、ほぼ世界のSNSを支配しています。ライバルらしいライバルは見当たりません。

 

Twitterは今も根強い人気がありますが、うまく広告でマネタイズできずに苦しんでいます。

 

以前、Snapchatは大きく利用者を増やした時期がありました。Facebookが買収を検討しましたが、Snapchat側が拒否しました。その後、Snapchatの動画機能をInstagramに取り入れて、Snapchatのお株を奪いました。要はSnapchatの機能をパクったんです。ただ、Instagramが採用した動画投稿機能はSnapchatのそれよりもハイクオリティーなものでした。

 

結局、SnapchatはFacebookの立場を脅かす存在にはなれませんでした。

 

こうしてみると、今後も高い成長性が見込まれるデジタル広告市場にありながら、目立ったライバルのいないFacebookはかなり有望な投資先に思えます。

 

デジタル広告市場でのシェアを維持できるなら、市場の年率10%の拡大ペースに合わせて、Facebookの売り上げも拡大します。その点を踏まえれば、予想PER20倍はリーズナブルな値段でしょう。

 

ですが、そんなFacebookには2つの死角があります。

 

不確実性① 政治リスク

政治・選挙関連データ分析企業のケンブリッジ・アナリティカが、5,000万人分ものFacebookユーザーのデータを不正利用した問題を受けて、3月に株価が暴落しました。その後、7月の決算で、営業利益率は(今期の44%から)30%台半ばになると見込んでいるというCFOの発言を受けて再び暴落しました。

 

ケンブリッジ・アナリティカの問題を受けて、Facebookはセキュリティやプライバシーに関する投資を増やすとしています。ですが、投資というより、コストがかさむという言い方の方が正確でしょう。その影響によって、営業利益率の低下が予想されるわけです。

 

またフェイクニュースの蔓延や、プライバシーに関する問題でアメリカ議会や欧州の議会に何度も呼ばれており、SNS企業への規制が盛んに議論されています。仮に、政治的な判断で規制が強まれば、それについて対策をしなければならず、さらなるコストがかさむ可能性もはらんでいます。

 

一連の問題を受けてFacebookの企業イメージは大きく損なわれ、個人情報保護の観点から規制の議論も盛んです。現状の予想PER20倍という値段は、こうした将来の不確実性をふまえて値付けされているわけです。

 

今後、心配されるような政治的なリスクがほとんどないまま進めば、現状のPER20倍は割安です。しかし、将来が不確実なため、投資家たちは大きくFacebookに賭けることができないのが現状です。

 

不確実性② SNSという参入障壁の低さ

Facebookには今やライバルらしいライバルが見当たりません。

 

しかし、LINEやFacebook、Instagramが普及したペースを思い出してもらいたいです。SNSという業態は流行り廃りのペースがとても早いです。昔日本でmixiが流行ってましたが、一気に衰退してミクシィの業績はガタ落ちしました(ミクシィはその後モンストをヒットさせて新たな収益の柱を見つけました)。

 

スマホ時代のSNSアプリの勝者はFacebook、Instagramでもう決定なのか、はてまた新たなアプリが登場し、Facebookを脅かす存在になりうるのか、この辺の判断がFacebookがワイドモートを持っているのか否かの判断になると思います。

 

※ワイドモート=深い堀。ライバル企業を寄せ付けない参入障壁になるもの。バフェットがよく使う言葉。

 

個人的な意見では、Facebookはそんなに強力なワイドモートは築けていないと考えています。

 

SNSは参入障壁がとても低いです。素人でもアプリを作れますし、コストもほとんどかかりません。Googleの検索事業に対抗しようとして新しい会社を作っても全く勝てそうにないですけど、SNSアプリなら一矢報いる可能性はGoogleよりあるのかなと思います。(それでも難しいですが)そういった意味では、まだ見ぬ強力なライバルが現れる可能性の高い分野だと感じます。この観点もFacebookの弱点であり、不確実性を考慮すると、低いPER(利益成長に対して)も正当化できます。

 

結論

今後も高い成長性が見込まれるデジタル広告市場にありながら、目立ったライバルのいないFacebookは今後も10%程度の成長が期待できます。今後の利益成長に目を向ければ、10%成長が期待できるFacebookが予想PER20倍という今の株価は割安だと思います。

 

一方で、政治リスクや、強力なワイドモートを有していない(ここは判断が別れるでしょう)など、将来について不確実な要素が多分にあるので、そうしたリスクに目を向けると現状の株価も納得できる水準です。

 

長期保有を検討する場合には、冒頭のバフェットの言葉のように「喜んで10年間株を持ち続ける」ことができるかどうかが投資判断の分かれ目になりそうです。

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