ウェイモの自動運転タクシーが始動!グーグルが仕掛けるゲームチェンジ

【銘柄分析】グーグル

 

グーグル系自動運転開発会社、ウェイモが2018年12月に無人の自動運転車を使った無人タクシーの配車サービスを始める模様です。ウェイモのジョン・クラフチックCEOは「今後数カ月で始まるだろう。価格設定の研究もしている。」と述べており、年内に一部限定された地域で試験的に商業用の無人タクシーの配車サービスを始めるようです。

 

第1次産業革命は蒸気と石炭がその原動力となりました。第2次産業革命は自動車と電気、第3次産業革命はコンピューターが中核技術でした。そして、わたしたちは現在、第4次産業革命の真っ只中にいると言われています。そして、その産業革命の中核技術は人工知能やオートメーション化、モバイルインターネットです。

 

特に、人工知能によって大きく産業の構造が変化することが予測されているのは運輸業、すなわち自動運転です。もちろんすぐに自動運転車が普及するわけではありません。現在、自動運転市場をリードしているウェイモですが、まだ技術的にも法令的にも実験段階といって差し支えないでしょう。前述の商業タクシーも実地テストの側面が強く、本格的な商業利用には至っておりませ。自動運転が私たちの生活の身近なものになるにはしばらくかかりそうです。

 

しかし、自動運転市場のポテンシャルはとてつもなく大きいです。

 

調査会社の矢野経済研究所よれば、自動運転レベル3(条件付き運転自動化)の2030年の販売台数は1800万台近くに上ると試算されており、レベル3〜5の市場規模は計22兆円(約2200万台)ほどになるとされています。そして米調査会社ストラテジー・アナリティクスの調査では、モビリティサービスの市場が2050年に約740兆円に達すると推測しています。

 

今や「クラウド化」という言葉を聞かない日はないほど盛り上がっているクラウドサービスですが、その市場規模は約18兆円と言われておりますので、それと比べても自動運転市場のポテンシャルの高さがお分かりいただけると思います。

 

所有から利用の時代へ

将来、自動運転タクシーが普及し、いつでも好きな時に自動運転タクシーを格安で呼ぶことができるようになれば、わざわざ自動車を所有する必要性は薄れます。現在もモビリティーサービスの台頭で、すでに所有から利用の動きは進んでいます。例えば、アメリカのモビリティ大手のリフト(Lyft)は「Ditch your car(車を捨てよう)」をキャッチフレーズにしています。配車アプリ一つで車を呼び出せる時代に、わざわざ個人で車を保有する必要はないというわけです。

 

自動運転技術はこの動きを加速させることになるでしょう。こうすると困るのは従来型の自動車メーカーです。

 

例えば、トヨタ自動車などはトヨタ製という絶大なブランドがあったため、消費者に信頼され大きな利益を上げ続けてきたわけですが、個人が車を保有しなくなってしまえば、今までのビジネスモデルの前提が大きく崩れます。さらに、「トヨタの車に乗りたい!」という時代から、「リフトやウーバーのアプリで車を呼びたい」という時代に変わってしまえば、配車サービスを提供するプラットフォームの力が強くなり、自動車メーカーの立場はその下請けに成り下がります。

 

下請けの部品メーカーにコストカットを要求し、利益を搾り取ってきた自動車メーカーが、今度は未来のプラットフォーマーに利益を搾り取られてしまうかもしれません。

 

危機感を強めたトヨタはウーバーやシンガポールのグラブなどと提携を始めましたが、遅きに失した感は否めません。自動運転の研究も大して進でいません。そんな中、数年前から世界のライドシェア大手や、自動運転の研究を進めている企業と次々と連携していたのが、携帯会社であるソフトバンクです。そして昨年、章男社長はソフトバンクの孫正義会長に頭を下げることを決断したのです。

 

遅れていた他の日本勢も、例えばホンダは自動運転技術で2番手であるGMの子会社クルーズと提携しましたし、日産はウェイモと提携していますが、日本企業に主導権はありません。製造業の圧倒的な勝ち組だった日本企業でしたが、「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」の時代をリードするのは日本企業ではないようです。

 

 

次世代モビリティの覇権を握る企業は?

自動運転技術でトップを走るのがウェイモです。自動運転技術には走行実験による大量のデータが欠かせませんが、走行実験をもっとも行なっているのがウェイモです。

 

ウェイモの CEOであるジョン・クラフィチック氏はツイッターで公道で実施した自動運転実験の走行距離のグラフを公表しました。

 

 

 

自動運転技術にとって核となるのは走行実験データです。

 

AI技術にとってアルゴリズムは実はあまり重要ではありません。というのも、AIにおけるアルゴリズムはほとんどオープンにされており、誰でも調べれば分かります。

 

では、何が重要かといえば、アルゴリズムに読み込ませるデータの質と量です。

 

良質なデータを大量に読み込ませれば、精度の高い結果が得られます。しかし、データが不足していれば、どんなアルゴリズムを使っても意味のある結果が得られません。

 

したがって自動運転技術においても、良質なデータを大量に習得している企業が強いです。つまり、公道での複雑な道路や、人通の多い道路をどれだけ走行してデータをゲットしたかが、そのまま自動運転のクオリティに直結するのです。

 

そんな公道実験レースで先頭を行くのがウェイモで、累計で900万マイル(≒1450万km)もの実績を重ねていますが、これはライバルであるGMやその他自動車メーカーを圧倒的に上回ります。

 

グーグルは確実に自動運転市場の覇権に近づいています。

 

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