「GPIFの年金が3ヶ月で14兆円の損失」第2の消えた年金の懸念?

マネー論

公的年金を運用するGPIFの2018年10~12月期の収益が、評価損、実損を合わせて14兆円を超える損失となったことを発表しました。9月末時点で年金資産(約165兆円)の半分強を占めていた国内株式と海外株式の市況が大幅に悪化した影響によるものです。四半期ベースで過去最大の赤字額となりました。

 

しかし、結論から言えば、過度な心配は必要ありません。

 

第2の消えた年金?

この損失は将来の年金受給額に影響を及ぼす可能性が指摘されています。

 

GPIFはかつては資産の7割近くを安定的とされる国内債券で運用してきました。しかし安倍政権は、アベノミクスの「3本の矢」である成長戦略の一環として、そのポートフォリオを大きく変更し、2014年度から国内外の株式の運用比率を24%から50%に引き上げました。

 

株式の比率を高めたことで、大きなリターンが見込める代わりに、今回のように市場が変容したときには大きな損失が出るわけです。今後、GPIFの運用が失敗すれば、年金支払いのためのお金がなくなってしまうわけで、「第2の消えた年金」になってしまいます。

 

実際には心配の必要はない

しかし、過度に心配する必要はありません。

 

これまでもそうでしたが、今回のように一時的な損失が出ると野党やマスコミが騒ぎますが、しばらくして運用成績が好転すると、そうした批判は静まり返ります。これまでもチャイナショックなど、一時的に大きな損失が出たことがありましたが、その度に野党が追及チームなどを作り政権批判のネタにしてきましたが、マーケットが落ち着くとそんなことは無かったかのように次のネタで政権を批判します。

 

今回、GPIFは一時的に運用状況が悪化しましたが、これまでの長い期間にわたって堅実な運用をしてきました。実際に、2001年運用開始以来のリターンは平均2.73%でプラス57兆7000億円となっており、順調に国民の年金資産を増やしています。

 

 

 

またGPIF の運用は、国内株式と国内債券、外国株式と外国債券に分散投資しています。安倍政権以降株式への投資が増えましたが、それでも国内・外国合わせて50%ほどです。(最もリスクとリターンのバランスが良くなるのは株式:債券=6:4だと言われています。)

 

 

株式への投資は日本では「ギャンブル」だと勘違いされていますが、最もリターンの良い投資先は株式であることは間違いありません。ジェレミー・シーゲル教授は『株式投資の未来』の中で、株式のリターンはどの時代も一貫して年率7%程度だったことを証明しています。それに加えて、比較的リスクが低いと思われている債券と比べても、長期間投資するのであれば、むしろ株式の方がリスクが低いとも述べています。具体的には、15年以内であれば、債券の方がリスクが低いものの、15年を超えると株式の方がリターンだけでなく、リスクの面でも債券より優秀であることがわかっています。

 

国民の大事な年金であれば、利息のつかない現金で眠らせているのは困ります。債券や株式に分散投資して、堅実に運用して年金資産を増やしていくべきです。

 

また、個人投資家は堅実な運用をしているGPIFは資産運用のお手本として多くのことを学べます。

コメント