サンバイオの下落が止まりません。
1月29日の引け後に発表された開発中の新薬に関する臨床試験の結果報告で、期待されていた新薬の治験での結果が思わしくなかったことから株価が暴落しています。
2月1日も連続ストップ安となりましたが、いっこうに寄る気配がありません。月曜日の取引での値幅制限では3710円、火曜日は2310円がストップ安のラインになります。
ツイッターではこのような悲惨な状況も報告されています。
サンバイオに集中投資していた人は売りたくても売れない状況が続いており、夜も眠れない状態が続いています。板を見れば1000万株以上の成り行き売りの注文が出ており、月曜・火曜で全ての売り吸収できるかどうか怪しく、今週中のどこかで寄るかどうか、といったところです。
サンバイオの希望は?
サンバイオはSB623という新薬を開発し、世界初の脳機能を回復させる薬の販売に向けて治験を行なっていました。
今回、アメリカで大日本住友製薬と共同で行なっていた慢性期脳梗塞での2b臨床試験での良好な結果が得られませんでした。
しかし、日本における慢性期外傷性脳損傷においては良好な結果がすでに出ているため、こちらはまだ市販化の可能性が残されています。会社IRでも次のようなコメントがあります。
「SB623」慢性期外傷性脳損傷プログラムについては、第2相試験(STEMTRA 試験)において、良好な結果を得ているため、引き続き本開発を進め最速で国内承認を狙います。
(サンバイオIRより)
またアメリカにおける治験は大日本住友製薬と共同のため、話し合い次第では今後の治験の進捗に影響があるかもしれませんが、日本においてはサンバイオ単独で治験を行っているため、こちらが中止になることはまずないでしょう。
また、今回治験に失敗したのは慢性期脳梗塞であり、他にも外傷性脳損傷をはじめ、パーキンソン病、アルツハイマー病、脊髄損傷、加齢黄斑変性などの治験が成功する可能性も残されています。
サンバイオショックから学べること
実は株価が2000円台の頃からサンバイオには注目していました。しかしながら、将来有望とはいえ、バイオ株というのは当たれば億万長者、外れれば奈落の底に落ちるギャンブル要素が強いため、株価が4000円台の頃に降りてしまいました。
以前もアキュセラという会社が、新薬開発の期待されながら、試験で不具合があり6日連続でストップ安になったことがありました。バイオ株はそれほどまでに恐ろしいのですが、今回また同じ悲劇が繰り返されてしまったようです。
しかし、この会社は本気で「脳機能の回復の見込みのない患者さんを救いたい」という思いで新薬の開発に没頭してきたでしょうし、実際あと一歩のところまで研究開発を進めてきました。
そうした企業を応援したい、あるいは宝くじのつもりでサンバイオの株を持ちたい、という人は現物のみ、かつ余剰資金で保有するのが良いでしょう。
信用取引などで一発当てようというのは、ただでさえリスクの大きいバイオ株にさらにリスクを掛け算する行為です。そうした過剰のリスクを取ることは、億万長者への特急切符にもなり得れば、破滅への近道になりかねません。
必ずしも推奨する訳ではありませんが、億万長者への特急切符ならこちらの方がいいでしょう。
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