アメリカ国債・社債バブルの崩壊シナリオ

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リーマンショックから回復したアメリカの景気拡大が過去最長に近づいています。リーマンショックから10年が経過し、次の危機を警戒する機運もあります。2019年〜20年に景気後退するという意見もありますが、今のところ目立った兆候はありません。

 

アメリカ経済は10年に1度の間隔で大きなショックに見舞われてきました。

 

1987年にはブラックマンデー、2000年代初頭にはITバブルが崩壊しました。2008年にはリーマンショックが起こりました。

 

こうしてみるとアメリカ経済は景気サイクルを10年単位で繰り返してきたことがわかります。

 

リーマンショックから10年経った現在ですが、株式市場に異様な割高感は見られません。また個人の借り入れや不動産にも過熱感はそこまでありません。

 

しかし、リーマンショック以後あれだけ中央銀行はじゃぶじゃぶ紙幣を刷ったわけですから、その紙幣はどこかに流れています。

 

日本の場合は良くも悪くも銀行にダブついています。黒田総裁が一生懸命金融緩和してもそのお金は銀行に積まれているだけで、一向に効果が現れません。融資も低金利で収益が上がらない状態です。

 

一方アメリカでは、ダブついた資金が債券市場に大きく流れて、債券バブルになっている可能性があります。現在最も警戒すべきは債券市場です。

 

アメリカ国債は長年にわたり価格が上昇し続けてきました。(=金利が下がり続けている。)しかし、上昇相場が永遠に続くことはありません。

なにかのきっかけで長期金利が上昇し、債券価格が下落することもあり得ます。すると債券に多くポジションを取っていた投資家は含み損を抱えます。その含み損に耐えきれなくなれば、投げ売りが始まります。一度投げ売りが始まってしまうと売りが売りを呼び、その売りがさらなる売りを呼びます。結果的にあり得ない水準まで売り込まれるケースが歴史上何度もありました。米国市場で「新債券王」と呼ばれる著名投資家のジェフリー・ガンドラック氏は日本経済新聞のインタビューで、現在3%台で推移する米長期金利は「2021年までに6%に達する」と予想しています。

 

だだし、国債は国がどうにかする余地がかなりあります。まして基軸通貨のドルを有するアメリカです。国の力をもってすれば、混乱した状況もある程度コントロールできるでしょう。

 

しかし、社債はそうはいきません。

 

社債市場では投資適格ギリギリのトリプルB債が膨らんでいます。

(ウォール・ストリート・ジャーナルより)

 

全ての格付けの社債が膨らんでいるのではなく、トリプルB格の社債が急激に膨らんでいるという点も注目でしょう。

 

もちろん、厳正なるチェックを踏まえて投資適格の格付けをもらってる企業の社債ですから問題ないとする見方もできるでしょう。

 

しかし、本来ならジャンク債級の企業が、ギリギリのところでなんとかトリプルB格をもらって、ガンガンに社債を発行しているとしたら、金利が少し上昇しただけで急激にデフォルトリスクが高まる状態にある可能性があります。ウォール・ストリート・ジャーナルもその点について言及しています。

 

企業の最高財務責任者(CFO)たちは自社の社債がジャンク債に格付けされない範囲でできるかぎり大量の資金借り入れを行っている。ジャンク債への格下げは借り入れコストの急激な拡大につながるからである。(WSJより)

 

ジャンク債に格付けされないギリギリの範囲でできるだけ多く資金調達していることが予想されます。もし市場が急転して、急激に金利が上昇してしまえば、有利子負債のコストが高まってジャンク債格に落ちてしまう企業が一気に増えてしまう可能性もあります。

 

ジャンク債になった瞬間、機械的に売りに出す機関投資家も多いはずです。そうなれば、さらに債券価格が下落し、金利は急騰します。

 

株式投資家も債券市場の急転に伴って金利が急騰するリスクを頭の隅に入れておいて損はないでしょう。金利が急騰すれば、株式市場も合わせて急落するでしょうし、実体経済にもネガティブな影響が出ます。

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