企業型確定拠出年金の意外な5つのデメリット

マネー論

企業型確定拠出年金を実施している企業の従業員は強制的にこの企業型確定拠出年金に参加しなければなりません。確かに確定拠出年金には税制面等でメリットも用意されていますが、こうした制度が始まった背景には「企業はもう従業員の老後まで面倒見きれない」という事情があるわけです。

 

早い話が、企業が資産運用するのは大変だからさじを投げたのです。

 

自助努力を大義名分に、たとえ金融や資産運用に知識がない素人でも自己責任で資産運用しなければならなくなってしまいました。今回は企業型確定拠出年金のデメリットをまとめました。

60歳まで引き出せない。

確定拠出年金は、60歳までお金を引き出せません。

 

老後の年金資産を作るための仕組みであるため、積み立て貯金感覚で使うことはできません。したがって、60歳になるまで切り崩して使うことはできません。

 

また10年以上加入して入れば60歳から受け取れますが、それより期間が短いと受け取る年齢が後ろ倒しになります。

 

途中解約できない

確定拠出年金は60歳まで資金の引き出しができないことに加えて、途中で解約することもできません。60歳まで待たなければ今まで積み立ててきたお金を引き出すことはできません。一度加入したら60歳まで強制的に続けることになるわけです。

 

また、仮に途中で確定拠出年金の積み立てをストップしたとしても、各種手数料は払い続けなければなりません。

 

年金額が減る可能性がある

確定拠出年金とは、自分の老後に備えて自分で年金資産を増やす仕組みです。

 

国の年金が崩壊寸前のいま、様々な税制面での優遇が用意されていますが、定期預金とは違って元本割れのリスクもあります。

 

確かに数十年単位での運用であれば元本割れのリスクはほとんどありませんが、年金の受け取りの直前に「リーマンショック」のような市場の急変が起こってしまったら、当初想定していた年金が受け取れなくなるリスクがあります。

 

資産運用の知識を一定程度つけた上で運用しなければ、老後に思いがけず生活資金が足りなくなってしまう可能性があります。

 

早い話が、運用がうまくいけば年金は増えますが、運用に失敗すれば年金が減る、というわけです。そしてこれは完全に自己責任になるわけです。

 

裏を返せばこれは企業にとってのメリットで、確定拠出年金であれば、企業が年金を用意して従業員の老後の生活を保証しなくても済むわけです。そのため、近年は企業が確実に年金を用意しなければならない従来の「確定給付型」から、自己責任である「確定拠出年金」に移行する企業が増えています。

 

金融機関を選べない

個人型確定拠出年金(イデコ)の場合は、自分自身で金融機関を選ぶことができるため、「コストの安い」「信頼がおける」などの個人の考えに基づいた選択ができます。

 

しかし企業型の確定拠出年金の場合は勤め先の企業が設定した金融機関しか選ぶことができないため、選択肢の幅が狭まっている可能性があります。

 

自分の運用方針にあった商品があるかどうか、あるいは自分が許容できるだけの低コストの商品が用意されているかどうかは、運次第となってしまいます。特に日経大手の運用会社が用意する商品には驚くほどぼったくりな商品が平気で用意されていますから、その辺りの知識がない素人はカモにされる恐れがあります。

 

転職・退職時に手続きが必要

転職した場合、転職先企業が確定拠出年金を行って入れば転職先企業の確定拠出年金に移管する必要があります。また退職したり、転職先企業が確定拠出年金を行っていない場合には自身で移管手続きをしなければなりません。

 

移換手続きをせずに6カ月が経過してしまうと、資産は現金化され、国民年金基金連合会へ自動移換されます。自動移管されると、4,269円の移管手数料が取らた上に、毎月の管理手数料51円が年金資産から差し引かれてしまいます。資産運用で年金を増やすのが目的なのに、お金がどんどん管理手数料の分だけ減っていってしまいます。こうなると、もはやなんのための確定拠出年金か分からなくなってしまいますので、忘れずに確実に移管手続きをする必要があります。

 

まとめ

企業型確定拠出年金のデメリットとしてはいままで見てきたように5つのデメリットがあります。

  1. 60歳まで引き出せない。
  2. 途中解約できない
  3. 年金額が減る可能性がある
  4. 金融機関を選べない
  5. 転職・退職時に手続きが必要

企業型確定拠出年金を実施している企業の従業員は強制加入ですので、上記のデメリットを避けながらうまく付き合っていく必要があります。

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